この世界の片隅に 感想
映画『この世界の片隅に』放送決定! | NHKアニメワールド
本日8月3日(土)NHKでアニメ放送されました。
〈ネタバレ〉
まとめサイトの皆様の感想で読んだとおりに、前半のほのぼのパートと後半の鬱パートの落差が酷い(笑)
前もってその知識があったおかげで、覚悟して観ることができました(笑)
一番印象に残ったシーンは玉音放送の後、径子姉さんが勝手口で号泣するところ。
戦争に勝っていたら諦められたかもしれないのに(諦められるわけないけど)、なんのために娘は死ななくちゃならなかったのか。
戦争に勝つ、お国のためという理由が、何もかも犠牲になっても、無理矢理気持ちの落としどころになっていたのではなかったか。
絞り出すうめき声のような、短く名前を呼ぶ声が、母親の苦しみを伝わらせました。
近所の奥さん(刈谷さん)が、息子が死んでいるのがわからなかったところ。
息子が真っ黒になって、力を振り絞って歩いて、遠い道のりをやっと家の近くまで帰ってきて息絶えたのに、わかってやれなかった。
もしかして気づいていたら、まだ生きていて死に目を看取ってやれたかもしれなかった、お母さんの気持ち。
ああ、当時こういうことたくさんあったんだろうなと思いました。
後で奥さんがサラッと流すセリフで、こちらにそのことがわかり、かなりショックでした。
サラッと軽く言うのが、余計に悲しくやりきれないです。
(主題歌のとおり)
どれだけの後悔を乗り越えて、「塩分がもったいない」と話せるようになったのか。
それは主人公初め皆に言えることですね。
大切な人の命が絡んでいるがために、ああすれば良かったこうしていれば良かったという後悔の度合いが深すぎる。
本当に、「ボーッとしたまま死ねたら」どんなに楽だったことか。
そしてどんなに苦しんで後悔してもがき苦しんでも、死んだ方が楽かなと思っても、人間の生きようとする本能によって、また次の日からも生きて生活してしまうんです。
この時代と現代を重ねたって仕方ないけど、
その苦しみと後悔は今の自分たちにも他人事ではないと思えるから、観る者の気持ちを掴むのではないでしょうか。
自分の性格が径子姉さんぽいなっていう人、わりと多いと思います(笑)
私もです(笑)
モタモタすんなチッと思いつつ、すずが一生懸命やってるからつい助けちゃう(イヤミで手を出すのも含む)。
長女だし。
「自分の自由にやってるから、責任も自分で取る」
その通りです。
わかっているけど「人殺し!」と叫ばずにいられない。
その後もなかなか気持ちに折り合いがつけられない。
わかっているんですけどね…。
周作さんがすずを幼なじみ水原さんの納屋に泊めさせるの、ありゃ酷いんじゃないのと思いました。
水原さんが紳士だったから良かったけどさぁ!
いくら相手がいつ死ぬかわからないからって、女房差し出すとかありゃないべ!
母屋に鍵かけてるし!(←ここが一番ダメ、逃げて来られるように鍵開けとけよ、ド田舎の一軒家のくせに!絶対普段は鍵かけてないでしょ!)
いくら戦前の女だからって、もっとすずは怒り狂って良いと思います。
つーか水原さんもどっか別んとこに泊れよと。
すずが流されなかったんで、安心でしたけど。
流されてしまう可能性も多いにあるわけで。
最後の戦争孤児の女の子、野坂昭如のお話みたいになんないで超超ラッキーだったねぇと思いました。
ここはおとぎ話のようでホッとします。
晴美ちゃんの服を出してやる径子姉さん、めっちゃ人間できてるべや…。
と、観た直後の感想殴り書きでした。